クレタ島に樹齢3000年の野生のオリーブの木が2本あります
現在確認されているオリーブの木以外で 世界で一番長生きしているのは 米国カリフォルニア州インヨー国立森林公園内のブリッスルコーンパインといわれます 樹齢は推定4800年。この木が芽を出した4800年前といえば “ノアの方舟”伝説の頃 ギザの三大ピラミッドがつくられた時代(およそ2500年前)よりもずっと前で 日本はまだ縄文時代の真っ只中です 日本の長寿の木といえば もちろん屋久島の縄文杉や大王杉。近年の放射線炭素による年代測定によると縄文杉は樹齢2500~2700年くらいではないかということです
こうした長生きの木はありますが オリーブの木は3000歳になっても実を成らしています まさに生命の木です そこから「長寿・健康」「子孫繁栄」の木ともいわれています
日本で100歳の木から搾ったオリーブオイル100mlを1本12,000円で売り出している企業があります 3000歳の木から搾ったオリーブオイルならいくらの値が付くでしょうか 不老長寿薬かもしれません
ギリシャでは 11月になると たわわに実ったオリーブの実の収穫が始まります 農家では低い枝の実は手摘みで高い枝の実は棒で叩いて下に敷いたマットの上に実を落とし収穫します 家族総出 臨時作業員を雇ったりして行う大変な作業です
ギリシャにとってオリーブはなくてはならない存在 日本の醤油 味噌 梅干し 米に匹敵するような主要食材です ギリシャの各地にオリーブ畑が見られ その種類は100種類以上 国民一人当たりのオリーブ油の消費量はなんと世界一です ギリシャ料理には おたまで何杯分ものオリーブ油を使ったりしますし 食用の他 美容や医療 燃料などにも古代から珍重されてきました 教会の聖油として使われるオリーブ油は「光」を象徴し ギリシャ正教の洗礼式には 体にふりかけたりもします
2004年のアテネオリンピックでは オリーブの枝の冠がオリンピックの勝利者に与えられ 平和の象徴として オリーブは国連の旗のデザインにも使われています 樹齢が何千年と言われる古木もあり 夏は40度近い炎天下に半年くらい雨の降らないこともあるギリシャの気候も耐える 本当に貴重で強靱な まさに神の恵みを象徴した木だと思います 2007年の夏の山火事で そのオリーブの木がたくさん失われてしまったことを 本当に残念に思います
●クレタ島のヴォーヴェスのオリーブ
長寿の木
木は地球上で最も長い生命を持つ生物のひとつだ 千年以上前から存在する木は50本以上知られているが まだ見つかっていない古代の木が無数に存在する可能性もある
木の生命が長い理由はいくつかある その秘密の1つが 細かく区切られた維管束系だ これにより 木の一部が死んでも他の部分は元気に成長する さらに死をもたらす細菌や寄生虫を撃退するために 多くの木々は防御効果のある化合物を作り出している
さらに 地球で最も古い木のひとつであるヒッコリーマツは 人間と同じような歳のとり方をしないらしい これらの木は樹齢3000年を超えても 樹齢100年のものと同じように精力的に成長し続ける 動物とは違い これらのマツには 年月を経ても細胞内で遺伝子の突然変異が蓄積されることがない
また クローン つまり遺伝子が同一の若枝を出すことで 時の流れに反抗する木もある この場合 幹が死んでも それはその木の終わりを意味するものではない 巨大な群生地には 数千の幹があることもあるが それらのすべてが 網状に張り巡らされた同じ根を共有しているのだ