聖書の一説、『ノアの箱舟』の話の中に「大洪水が終ったかどうかを知るために、ノアは何度か鳩を舟から飛ばしたといわれています。
最初すぐにもどってきた鳩を見て洪水がまだ収まっていないことを知り、次に放したときは、鳩がオリーブの小枝を口にくわえて来たことから、嵐が収まってきたことを感じ、最後飛ばした鳩が舟にもどって来なくなったことから平和がよみがえったことを知ったそうです。」
そこから、オリーブは平和の印として国連の旗にもなっています。
また、ギリシャ神話に出てくるアテナとポセイドンの話があります。
この2人の神は、1つの都市の領地争いをしていました。
この争いを知った神のトップ「ゼウス」が、「2人のうち、人に役に立つものを贈った者に都市の支配権をやろう!」と伝えました。その時に贈ったとされるのが、ポセイドンは戦争に役立つ馬。アテナは食料や薬剤にもなるオリーブを贈ります。
この贈り物に対して、地上の人々はアテナのオリーブを支持して、支配権はアテナのものになります。
その土地というのが現在の「アテネ」です。
この場所は、オリンピックの聖地とも言われています。
アテナが贈ったオリーブは、いろいろな事に使える知恵が詰まった物という事で、「知恵」という花言葉にりました。
また、支配権の争いに勝った事から「勝利」の象徴ともされている。
さらに鳥取大の中島先生の資料を引用すると
聖書の中では創世記6章 ~9章の“ノアの箱舟”で「時に世は神の前に乱れて暴虐が地に満ちた… …神はノアに言われた『 わたしはすべての人を絶やそう と決心した』……『あなたはいすぎの木で箱舟を造り 箱舟の中にへやを設けア スファルトでそのうちそとを塗りなさい.』……主はノアに言われた『 あなた と家族とはみな箱舟にはいりなさい』……七日の後わたしは40日40夜地に雨 を降らせて……洪水がおこった… …地のおもてにいたすべての生き物は人も家畜も這うものも空の鳥もみな地からぬぐい去られてただノアと彼と共に箱舟にはいったものだけが残った… … ノアはまた地のおもてから水がひいたか どうかを見ようと彼の所から鳩を放ったがは鳩は足の裏をとどめる所が見つか らなかったので箱舟のノアのもとに帰ってきた… …それから7日待って再び 鳩を箱舟から放った鳩は夕方になって彼のもとに帰って来た 見るとその口ばしにはオリーブの若葉があった ノアは地から水がひいたことを知った」
そして人類の繁栄が再び始まるのである このオリーブと鳩を組み合わせた図柄は平和と繁栄のシンボルとして色々な場所でデザインされ使われている 各国の記念切手や面白いものではタバコのピース箱などその例はきわめて多い
オリーブの記述はギリシャ神話の中にも多く見られ 歴史的にもその関わりの深さが伺われます
一番有名なのは アテネの守護神であるアテナ女神のエピソードでしょう その昔 アテナイの守護権をめぐり 海の神ポセイドンと知恵の女神アテナが争った時に 人民により多くの恵みを与えた方を勝利者とすることになりました ポセイドンは塩水の泉を進呈し 一方知性の女神アテネは 聖なるオリーブの樹を創り出し アクロポリスの丘に植えて 食料 燃料 美容 医療の糧となる豊饒なる富(オリーブの収穫)をもたらしました その結果 人々に実質的な利益を与えたと評価されたアテナが勝利者となり アテナ神を守護神としたアテネは 現在のギリシャの首都として栄えています アクロポリスの丘に立つ壮大なパルテノン神殿は その女神アテナを祀った神殿で 世界遺産にも認定されています そのアテナが植えた聖なるオリーブの木は ペルシャ兵が侵攻してきて木を燃やした時も 次の日には蘇って葉を茂らせ アテナ神の力を示したと伝えられます
ギリシャ神話は様々な伝承があることから 矛盾や違うバージョンもあります アテナ神はクレタ島から来て ミノア人に聖なるオリーブの木を与えたという話や 最初の聖なるオリーブの木は ペロポネソス地方が起源とする話もあります また ヘラクレスの逸話では彼がダニューブ河の岸にはえていたオリーブの木を最初にオリンピアに持ってきたとか 彼が敵を倒すために使っていた棍棒は オリーブの幹で作られていたとか伝えられています
また アルテミスとアポロンの母であるリトが デロス島で出産場所を探していた時に 聖なるオリーブの木の木陰で休み 安産の神の去来を待ち望んでいたという逸話もあります そのアポロンの息子であるアリステウスは 初めて抽出したオリーブ油によって疫病を治療したと伝えられており オリンポスの女神達は オリーブ油と他のアロマオイルをブレンドして 美容用のクリームとして使用していたという逸話もあり 昔から医療用・美容用としても オリーブが珍重されていたことが分かります
どれもギリシャにおけるオリーブの重要性を示す逸話ばかりで興味がそそられるところです
オリーブの樹は「太陽の樹」とも呼ばれる
古代エジプトでは、女神イシスがオリーブの栽培と利用を教えたとされる ラムセス3世は太陽神ラーに神殿の灯油のためのオリーブ畑を捧げたとされる
ホメーロスはオリーブオイルを「液体の黄金」と謳った オリーブオイルは古代地中海貿易の主要商品の一つであった オリーブは豊穣・富の象徴とされる
オリーブはフクロウとともに 女神アテーナーに付随するシンボルである
アテナイの発行した4ドラクマ銀貨は、表に女神アテーナー 裏にフクロウとオリーブの枝と三日月が刻印されていた
オリーブは勝利の象徴ともされる
ギリシア神話では 女神アテーナーは海神ポセイドーンとアッティカの領有権を争い どちらが市民に役立つ贈り物をするかを競い ポセイドーンは塩水の湧き出る泉もしくは戦に役立つ馬をアテーナーは食用となる実とオリーブオイルの採れるオリーブの樹(の森)を贈り アテーナーはアッティカの守護女神に選ばれ アッティカの中心となるポリスは「アテナイ」と呼ばれるようになった
オリュンピア大祭(古代オリンピック)では 勝者に授けられる冠にクレタ島のオリーブの樹から作られたオリーブ冠が使われた これを月桂冠とするのは誤りで 月桂冠は太陽神アポローンの聖地であるデルフォイで行われるピューティア大祭の勝者に授けられた
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教では オリーブオイルは戴冠式や聖別などの宗教儀礼での「聖油」としても用いられる
オリーブの枝は 鳩と伴に「平和の象徴」となっている これは『旧約聖書』ノアの箱舟のくだりで「神が起こした大洪水のあと 陸地を探すためにノアの放った鳩が オリーブの枝をくわえて帰ってきた これを見たノアは 水が引き始めたことを知った」との一節(創世記8章8-12節)に基づいている 斜に構えた見方をすれば オリーブや鳩の象徴する「平和」とは 「(神罰・世界の終末による)大災厄により ほとんどの(悪しき)人間が滅びた後の 「新世界」における平和」ともいえる
旧約聖書やギリシヤ神話の故事から オリーブの花言葉は、「平和」・「安らぎ」・「知恵」・「勝利」である
聖書は イエス・キリストは普段からオリーブ山のふもとのゲッセマネ(「オリーブの油搾り」)の園で祈ることを好み 最後の晩餐の後もゲッセマネの園で最後の祈り(ゲツセマネの祈り)を捧げたと伝えている
オリーブの枝は ベネディクト会のシンボルであり 同会は「オリーブ会」とも呼ばれる。
オリーブの枝は 国際連合旗や いくつかの国の国旗や国章にも使われている
オリーブは ギリシャ(国樹) イスラエル(国樹) ポルトガル(国花)の国樹・国花である
イタリアの政党連合にも「オリーブの木」というのがあった
1米ドル紙幣に描かれたハクトウワシの右脚には「オリーブの枝」左脚には「矢」が握られている
日本では香川県の県の木 県の花に指定されている
象徴としてのオリーブ 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』