オリーブの品種は世界で1600以上あるとされています その中で日本では20数種類が植えられています

オリーブの栽培はイスラエル パレスチナ ヨルダン レバノン シリアの地域で始まり その後地中海沿岸を経て広まったと言われています

人類が移動する歴史とともにオリーブの栽培地も広がってきました

海上交易のフェニキア人がギリシャの島々に ローマ帝国の拡大とともに地中海沿岸や北アフリカの地域に、コロンブスのアメリカ大陸発見で北米そして南米の地に広がっていきました

 

日本は最初にフランスからオリーブの苗木が輸入され横須賀に植えたのが日本最初のオリーブの木と言われています

1908年に農務省が缶詰に使用するオリーブオイルの自給をめざし 三重 香川 鹿児島県を指定しアメリカから輸入したオリーブ苗木の試験栽培を行いました

香川県の小豆島で継続的に栽培が行われ岡山 広島県に栽培が広がりましたが 1959年の輸入自由化で海外から安価なオリーブオイルが輸入されるようになり 国内栽培は急速に減少しました

平成に入ると健康食品への関心の高まりやイタリア料理の拡がりなどからオリーブオイルの需要が増え それに伴って国内でのオリーブ栽培が増えるようになりました

また国内のオリーブ栽培面積の増加に伴い 苗木の海外からの輸入も2010年頃から増加し、2014年には4万本を超える苗木が輸入されています

いま現在は国内で約20万本のオリーブの木が植えられています

 

ちなみに中国には200万本そして世界では10億本が植えられています

 

古代からオリーブは人々の主要な収入源の一つで 地中海沿岸で売買されていました

古代ローマ時代ではすでにオリーブは一つの産業にまで成長しており オリーブの木を切り倒した者には処刑という罰が課せられ オリーブの木は人々によって手厚く守られていました

どのような状態の実から(色づき始めた実から 熟した実から 地面に落ちた実から 虫に食われた実から)取ったオリーブオイルかを区分し オイルの格付けもされていた記録が残っています

 

日本におけるオリーブの歴史

安土桃山時代(1574~98) フランシスコ派のポルトガル人宣教師によって日本にオリーブオイルが持ち込まれたとされています

栽培としては 文久2年(1862) 徳川将軍の医師・林洞海がフランスから苗木を輸入し 横須賀に薬用目的で植栽したが 結実することはなかった

明治7年(1874) 赤十字社を興した佐野常民がイタリアから苗木を持ち帰り 東京と和歌山に植栽し 和歌山でオリーブが結実したが 台風や病虫害などで木は枯れてしまった

明治 12 年(1879) パリ万博日本事務局副総裁の松方正義や事務官長の前田正名がフランスから2000本の苗木を輸入し歓農局三田育種場及び神戸温帯植物試験場(神戸オリーブ園)に植栽した

明治 15 年(1882) 神戸オリーブ園で結実し 日本初のオリーブオイルが搾油されました

日露戦争で獲得した広大な領域の漁場から水揚げされるイワシ等を保存・輸 出しようと オイル漬けの缶詰を製造するためのオイルを生産するため明治 41 年(1908)当時の農商務省が三重県 鹿児島県 香川県(小豆島)の 3 県を指定して アメリカから輸入した苗木を使い試験栽培を実施しました

そのうち小豆島に植栽したものだけが順調に生育し結実して大正の初めには搾油が出来るほどの実をつけるまでになりました

そして小豆島はオリーブの産地として知れ渡るようになりました

 

● 品種の特徴に関しては、以下のサイトをご覧ください

オリーブの木 品種の特徴・解説